株式会社渡辺海苔店

部門紹介 Introduction of department

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渡辺海苔店は業務用海苔製品全てのニーズにお応えする海苔加工メーカーです

ロール海苔班/近藤みき

−−ロール海苔班の業務内容を教えてください。

海苔をつなげてロールに巻き上げるという作業です。米飯工場などのベンダーさんでは、巻き物や軍艦を製造する際、1枚ずつ巻くのではなく機械で連続して巻いていくんです。そのために、大きなバームクーヘンのようにロール状になっている海苔が必要なんです。その海苔を作るチームですね。太巻き、中巻き、細巻き、軍艦とすべて太さが違います。それぞれに使用するサイズの海苔を機械に1枚1枚入れて、くっつけていくという作業です。

−−特に難しい作業はどういうところでしょう。

海苔の端と端を貼り合わせていくわけですが、それがうまく貼られていないと、引っ張ってロール状にしていく際に切れたり外れたりするんです。それから、真っ直ぐに貼れていなくて海苔がずれていると、巻いていく時に蛇行したり破けたりしてしまいます。そうならないように機械を調整するというのが、難しい部分ですね。これは経験によるものが大きいので、これまで何度もやりながら、失敗しながら身に着けてきました。

−−一度、機械をベストな設定してしまえば後はOKというものでもないんですね。

いえいえ。海苔によってそのベストな設定というのが違いますから、海苔が変わるたびにチェックをして、ずれていればまた調整するという感じです。お客さまによって使用する海苔は決まっているのですが、同じ等級の海苔でも複数の生産者さんの海苔が混じっていますので、なるべく質が変わらないように選んで使いつつ、機械にも細かく微調整を加えていきます。

−−手作業というのもあるんでしょうか。

海苔をつなげるのは機械なんですが、巻き上げるのは手作業です。自動で巻くこともできますが、手で巻いたほうが圧倒的にきれいに仕上がるんですね。ただ、力加減や巻き方が悪いと、やっぱり海苔がずれたり壊れたりするので、慎重さを要する作業となります。

−−班の作業として徹底していることはありますか。

班の人たちには、まず海苔が曲がらないようにというのは最低限のことなので、そこだけは必ずチェックするようにということを徹底させています。もしもクレームがあった場合には現場の人に報告して、それを改善するためにはどうしたらいいかを話し合います。以前、海苔が蛇行していたというクレームがあった際には、チェックの仕方を変えました。それまで決められていた回数ではなく、海苔が変わるたびに1本ずつチェックするように改善しました。

−−そのほかに気を付けている点は。

原料選びですね。海苔の良し悪しというのもありますが、お客さまによってどのぐらいの具を入れるのかが違いますので、それによって求められる海苔の硬さは違ってきますよね。それに合わない柔らかいものを出してしまったら寿司を作っている最中に破裂してしまいますし、逆に硬すぎるものを出してしまうと「噛み切れないよ」となります。お客様によって海苔が違うので、それぞれに合った海苔を正確に選ぶということが大事です。

−−現場でもお客さまを意識して作業されているんですね。

フィルム班やロール班は直接お客さまが見えているからなおさらです。焼き海苔ならば統一の規格に揃えるということができますが、ここではそれぞれのお客さまの用途に応じた製品を作らなくてはいけません。ですから当然、いま作っているこの海苔がどこへ納められるかということを把握していますし、それによって海苔を使い分けます。この海苔がどの巻きに向いているか、どのお客さまに向いているかを現場でも理解しておく必要があるんです。